「ただいま」



「おかえり。何持ってんだ？」



『金魚？』
「さっき用水路で見つけた」



「飼っても良いか？」
「駄目だ」



「見つけた場所に 戻して来い」
「雨で増水している。流されるかも」
「では 川か池に」



「きっと他の魚に 食べられてしまうだろうな」



「まだ産まれて間もないのに」
「……」



「大きくなるまでだぞ」
「ありがとう カノン！」
「自分で面倒見ろよ。俺は仕事以外で 魚の世話はしたくない」
「分かった」

　　　　　　　　　★☆★☆★☆★☆　翌朝 ☆★☆★☆★☆★



「大変だ！！」



「……どうした？」



「一晩で 大きくなってしまった」



「…お前 コレに入れたまま寝ただろ」
「ああ。弱っていたから小宇宙を与えて… あと血も少々……」