かまくら
こちらも 記録的大雪 |
「雪かきするぞ」
「断る」
「帰宅したら一緒にすると 約束しただろう?」
「『私』は していない」
「階段で滑って怪我する奴居たら どうするんだ」
「捨て置け」
「この程度の雪で転ぶような雑兵は要らんし
敵が進入しても 気休め程度の足止めになるだろう」
「まあ そうだが…」
「……残念だな。集めた雪で 『かまくら』を 作ろうと思っていたのに…」
「何だ それは」
「俺も良くは知らないが、
雪を固めて作る 秘密基地のような建造物だそうだ」
「秘密基地…」
「雪洞で過ごすのか? 寒いだろう?」
「聞いた話によると 中は暖かいらしい。
だが一人で作るのは面倒だ。雪はギャラクシアンで吹き飛ばそう」
「何を言う! この機会に検証してみようではないか!!」
「もういいだろう」
「そうか」
「これは?」
「『七輪』 と言う移動式の炉だ。暖が取れて 調理も出来る」
「コタツの上にあった鯛焼きか」
「炭で焼くと美味いぞ」
「『かまくら』 結構暖かいな。それに――」
「情緒がある」
「お陰で雪かきも完了だ。もうひとつ食え」
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