
看病
俺に任せなブラザー |

「?」


「クラゲ?」

「夕食の材料だろうか」

「……」
「サガ!!」

「私が不用意に触れたばかりに迷惑を… すまなかった」
「いや」

「あんな所に毒クラゲを放置した俺が悪い。
責任を持って看病するから 兄さんは安静にしてくれないか」
「わかった」

(カノンは優しいな)

「気分はどうだ?」

「少し良くなった」
「リンゴを剥いてやろう」

「と、その前に…」

「血を採ってどうするのだ?」
「今後どのように治療すべきか 探っている」

「成程」

「起きても良いか?」
「まだだ。熱が下がっていない」

「血圧が不安定だな。薬を代えてみよう」
「このような夜中まで…」

「今朝はどうだ?」

「ラベンダーの香りは免疫力を上げるらしい。枕元に置いておく」
「ありがとう」
「では 仕事に行ってくる」

「あ、カノンのノート」

『○月×日 試しにkp-A2ozを経口投与
○月×日 経過は順調 ・ 副作用の兆候なし
○月×日 気休めに民間療法も試してみる
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しかし頑丈な兄が居て 本当に良かった。
新種の毒クラゲには参ったが、
臨床研究の被験者に これ程の人材は――』

「ただいま。忘れ物して…」

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