「どうした？神妙な顔して」



「最近よく 『メアド』 だの 『ID』 だの聞かれるのだが…」
「俺も聞かれた。スマホかケータイは持っているか？」
「いや」
「誕生日だから祝いのメールでも 送りたかったのだろう」



「手紙か！」



（そのポスト どこから…）



「あやうく皆の心遣いを 無駄にする所であった」



「休日を邪魔しないようにと 考えたのだろうな」
「有難い」



　　　　　　　★☆★☆★☆★☆ 誕生日 ☆★☆★☆★☆★



「お、来た来た」



「そっちは？」
「ポストの中を見ていない」
「何故？ 楽しみにしていたのに」



「私は偽教皇時代 皆を酷い目に合わせてしまった。
　祝いの手紙など 貰う資格が無い」



「おそらく一通も 届いてないだろう」
「代わりに見てきてやる」



「？」







「一通くらいは…」



「あったぞ。だが予想外のゲストのお陰で――」
「！！！」