コタツ・3
そのメカニズム |
「何をしている?」
「海界の連中にコタツの話をしたら 羨ましがられてな。
導入してやりたいのだが、電源が…」
「カノンは優しいな」
「これは どういう仕組みなのだろう」
「コタツの熱によって蒸発した水分を お茶で補い
同時に失われた塩分を 煎餅等で補充し、
糖分を 柑橘類で調整するという――」
「イヤ、俺が知りたいのは人体の仕組みではなく
コタツが暖かくなる仕組みの方だ」
「分解してもいいか?」
「駄目だ!」
「聖域の機密を洩らすなど、言語道断!!」
「機密…だったのか」
「そうだな。春になったら許可しよう」
「春、ねぇ」
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