「やっと着いた 『三峯神社』。遠かった…」
「『三ツ鳥居』 とは珍しいな」



「……寒い」



「標高１１０２m。結構雪が残っている」



「だが見ろ」



「良い天気だ」
「この時期の晴れは貴重だぞ。歓迎されているのかも知れん」



「そうだな。では神様に御挨拶に行こう」



『拝殿』



「見事な彫刻だ」
「このような山奥に… 建立は さぞ大変だったに違いない」
「信仰の力は凄いな」



「龍？」
「足元を見ろ」



「石畳に模様が！」
「『龍神様』 だ。３年前の辰年に 突如現れた」
「不思議だ…」



「神様のお使いは 狛犬ではなく 『オオカミ』 だそうだ」
「この地に狼が居たのだろうか」
「かもな」



「立派な杉だ」



「『御神木』。推定樹齢８００年とある」





「御神木の入ったお守りが貰えるらしい。授与所は――」



「そう言えば…」



「 『白い氣守』 という物があると聞いたな。
　『白』 は神聖な色故 穢れ（けがれ）を祓うらしい。
　あと再生の意味もあるから 月初めの一日のみ頒布されるとか」



「そ、それは是非 手に入れるべきだ！」
「暖かくなったらまた来ような」