「昨日 『魂が浄化された』 と 言っていたが…」



「何の話だ？」



「野生のうさぎと触れ合える島だそうだな。案内しろ」
「……」



「居たぞ」
「何処だ？！」
「道の端」



「おお！！」



「遠慮は要らん。食うが良い」



「そのカメラは飾りか？」
「ああ 忘れていた」









「ん？」



「一回り大きいな。毛も長いし」



「島のうさぎとは 別種のようだ。捨てられたのかも」
「だから一羽だけで居るのか」



「あまり気に病むな。写真を撮ってやるから そこに立て」



「こうか？」
「もっと右。はいチーズ！」



「いい（ウサ耳）写真が撮れたぞ」
「見るのが楽しみだ」







「所々に 廃墟があるな」







「戦時中この島に 毒ガスの製造工場があったのだ」
「実験に使われたうさぎが 繁殖したのか！」
「いや」



「施設は焼き払われ 実験用のうさぎは処分されて 島は地図から消された。
　機密性の高さから 秘匿された訳だ」
「そのような 暗い歴史があったとは」



「では 当時のうさぎの子孫では無いのか」



「お前達 平和な時代に産まれて良かったな」



「う？！」



「……クラクラする…」



「熱射病だな。宿舎に戻って 身体を冷やそう」
「分かった」



「オゴリだ。『うさぎのはなくソフト』」
「……」