塩見縄手
島根で昔を思い出す |
「松江城だ」
「登ってみるか?」
「今日は 城の周りを散策しよう」
「近くに武家屋敷があるぞ」
「面白そうだな」
「中級藩士と言うと… 白銀聖闘士辺りか。簡素な住居だ」
「簡素過ぎないか? ここに家族と住んでいたんだろう?」
「藩主は立派な城に 住んでいるくせになー」
「お前には 彼の苦悩が解るまい。
自分で動いた方が早い場合でも 部下に勅命下さねばならんし、
それなのに たった5人の格下相手に倒される始末――」
「後半 愚痴になってるぞ」
「船だ」
「乗りたかったのか?」
「いや。少し昔の事を 思い出しただけだ」
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