本文へジャンプ▽さんにんで はんぶんこ / サガとカノンと・・・▲
           <HOME>  <ご案内>  <紹介>  <メイン>  <おでかけ>  <脳内>  <倉庫>  <88の質問>

<おでかけ>


赤坂サカス

大人の自由研究


「まさかお前と このようなお洒落な街を訪れようとは…」





「別に 観光目的で来た訳ではない。そこの柱を見ろ」



「……化石?」
「そう。 『アンモナイトだ」




「凄いな!化石の壁か」
「今から約2億年前の海に体積した地層を 切り出して使っている」



「ちなみにこれも アンモナイトだ」
「?」

「縫合線が複雑なもの」 「真横に切断されたもの」
「内部が方解石に 変化したもの」 「…まるで難解なパズルだな」



「此れは… アンモナイトとは 少し形状が違うようだが」



「よく見つけたな。 『オウムガイ』 かも知れん」



「探せば 他の種類の化石も見られるぞ」

『二枚貝』 『ウニ』
『直角貝(オルソセラス)』 『べレムナイト』



「此方もべレムナイトだろう?」
「そうだ。筋がいいぞ」



「目が慣れて来ると 結構見つかるものだな」



「……昆布?」
「判らん」



「判らない物もあるのか」
「当然だ」



「遥か昔に生きていた生物を 切断面で推理するのだ。簡単ではない」
「そうか」
「だが仮説は立てられる」



「例えばこの 『アンモナイト』『べレムナイト』
 並んで地層に埋まっている様子から、
 同じ場所に暮らし ほぼ時を同じくして死んだと考えられる」

「成る程」



「この 『腕足貝』、内と外の砂礫の大きさが異なっている。
 別の場所で死んだ後 この地に運ばれ埋没したのかも知れない」

「其処まで判るのか!?」



「もちろん素人の推測だから 正しいとは言い切れない。
 だが化石は こうして過去の地球の姿を伝えてくれている




「命を終え 長い眠りの中で少しずつ石になっていった者達が見守る街、か。
 しかしこう 野晒しでは…」
「いずれ風化して 彼らも土に還るのだろう」



「ここは奇跡のような偶然で 太古の海に出会える貴重なスポットなのだ」
「もっと関心を持ってくれる人が 増えると良いな」
         前ページ 次ページ   2014.7.13